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ラブカルチャースクール 2
第41章 M Last Lesson
「ヤナセさん…んぐぅぅぅ〜!?」

ヤナセの動きは一電光石火で、顔が近付くと同時に顎を上げられ、瞬く間に口が塞がれていた。

重なった唇の隙間から少し生温かくなった水が、グラスの時よりは多めに口の中に注がれていく。

『口移し』――――

されてしまった。

こんなことなら大人しくストローを持ってきて貰えば良かったと思いながらも、注がれる水は甘い蜜みたいで凄く美味しい。

「んっく…んっく…んん……」

気管に詰まらせないように、リズムをとって喉仏を動かしていく。

ヤナセの前髪が、優しく頬を撫でる。

もう恥ずかしいっていうより、舌に絡まる円やかな液体も、食みながら重なる唇も、触れ合う肌も――――

全てが心地良くて、恍惚感で頭の芯が蕩けそうだ。

チュプ…

注入が終わったヤナセの唇が、静かに離れる。

「お水…お代わり要りますか?」

魅惑のウェイターは鼻先を掠めながら、硝子玉のような瞳で微笑んできた。

「あ…いいえ…ご馳走様でした…」

「クス…お粗末様でした…」

ヤナセは親指で濡れた私の口元を拭って、最後の仕上げも完璧だった。

余りの一連の見事な所作に、魂はすっかり抜けていく。

あぁ…もう…下手に抗うまい…。

今日は異国…
いや、むしろ雲の上でのレッスンだと思うことにしよう…
ふふふ…。

姉さんの時のように『気持ち良く』、素直にヤナセに身を委ねようと心に決めた。


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