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第43章 Ｍ 卒業 Lesson

私の質問をセイジは普段通りの笑顔で答えてくる。

「いや…まだ特別講師の実習中だし、マスターコースの『卒業レッスン』は実は今回が初めてなんだ。だから俺もちょっと緊張してるかも」

――――そして、予感は的中した。

セイジの答えに小さな私が脳内に出現して、色んな思考が駆け巡りだす。

私が初めてってかなり嬉しいかも～！

はっ！　
いやいやそんな甘ったれたことじゃなくて、四天王みたいな分厚い障壁じゃないなら『射精』のチャンスは充分にありえるんじゃ…。

んんん？
でも、セイジは『特殊課題』のことを知っているんだよね？

「う～ん…。う～ん……」

無意識に唇を結んで眉間を寄せながら唸っていると、セイジが神妙な表情を向けてきた。

「初めての俺だと…不安かな？『卒業レッスン』に慣れている講師の方が良かった？」

「えっ！あぁ～違うの！今日の担当が初めてのセイジで本当に良かったなぁ～って！迷惑かけないようにしなきゃって考えちゃったの！」

伺うように聞いてきたセイジの顔がちょっと可愛くて、不安にさせまいと思わず必死でフォローする。

「それならいいけど…俺も不慣れだから、琴海の邪魔をしないように絶対頑張るから…」

セイジは真剣な表情を浮かべて、私の頭に片腕を回して自分の肩に引き寄せる。

私の煩悩とは違って純粋に力強く言い切ってくれるセイジの気持ちが凄く頼もしくて…

凄く、嬉しかった。