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ラブカルチャースクール 2
第43章 M 卒業 Lesson
「……セイジ…」
車の排気音と雑多の音をぼんやりと聞きながら、タクシーが消えた先を虚ろ気に見詰める。
「大丈夫ですか?」
「あ……」
転んだまま立ち上がらない私に、親切に声を掛けてくれる人がいたけど声が詰まってちゃんと答えられない。
立たなければと思うけど、痛みより力が入らなくて思うように動けないでいると
「琴海様…立てますか?」
頭上から聞きなれた、低い声が優しく響いてきた。
ゆっくり仰ぐと、ヘーゼルの瞳が心配そうに見詰めている。
「ヤナセ…さん…」
「琴海様…お怪我をされてしまいましたね。後で消毒しますので…歩けますでしょうか…」
座り込んでいる私の視線に合わせるように片膝付いて座ってきたヤナセの手には、私が途中で脱ぎ捨ててきた靴が握られていた。
「それ…私の…」
「えぇ…途中で脱がれて行かれたから…拾って参りました」
ヤナセはそう言って、いつものように優しく微笑んでくれたけど、少し物悲しそうにも見える。
あぁ…ヤナセに心配をかけさせてしまったんだ。
わざわざ追い掛けてきてくれたことに申し訳ない気持ちが押し寄せてくる。
「ごめんなさい…ヤナセさん」
「…戻りましょうか…スクールへ」
ヤナセは静かに一言囁いて、私の手を取って支えてくれた。
車の排気音と雑多の音をぼんやりと聞きながら、タクシーが消えた先を虚ろ気に見詰める。
「大丈夫ですか?」
「あ……」
転んだまま立ち上がらない私に、親切に声を掛けてくれる人がいたけど声が詰まってちゃんと答えられない。
立たなければと思うけど、痛みより力が入らなくて思うように動けないでいると
「琴海様…立てますか?」
頭上から聞きなれた、低い声が優しく響いてきた。
ゆっくり仰ぐと、ヘーゼルの瞳が心配そうに見詰めている。
「ヤナセ…さん…」
「琴海様…お怪我をされてしまいましたね。後で消毒しますので…歩けますでしょうか…」
座り込んでいる私の視線に合わせるように片膝付いて座ってきたヤナセの手には、私が途中で脱ぎ捨ててきた靴が握られていた。
「それ…私の…」
「えぇ…途中で脱がれて行かれたから…拾って参りました」
ヤナセはそう言って、いつものように優しく微笑んでくれたけど、少し物悲しそうにも見える。
あぁ…ヤナセに心配をかけさせてしまったんだ。
わざわざ追い掛けてきてくれたことに申し訳ない気持ちが押し寄せてくる。
「ごめんなさい…ヤナセさん」
「…戻りましょうか…スクールへ」
ヤナセは静かに一言囁いて、私の手を取って支えてくれた。