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ラブカルチャースクール 2
第44章 Lesson 仲間
さっきまでの緊張が解されていき、微笑ましく眺めていると

カチャ…

「琴海様…お待たせしました。ダージリンにしましたが宜しいですか?」

カリスマウェイターのヤナセがティーセットをテーブルに置きながらふんわりと柔らかく微笑んだ。

「はい!有難うございます!」

「もう蒸らし時間は経っているので…カップに注がせて頂きますね」

ヤナセは流れるような手付きで茶漉しをカップに掛けて、紅の液体を注いでいく。

滑らかに揺れる水面がヤナセ効果か、ビロードの絨毯にすら見える。

「どうぞ…」

「頂きます」

指を揃えて差し出されたカップからは、まろやかな芳香が漂ってきた。

『ダージリンティー』――――

胸の奥で甘酸っぱい思い出が呼び起こされる。

初めてのレッスンでセイジが淹れてくれた紅茶。

高い茶葉を使っていることもさることながら、渋みも少なく癖がない滑らかな味が舌を優しく包み込む。

「美味しいです…凄く…」

心から感激が湧き上がる。

ヤナセの淹れてくれるお茶は、いつも本当に美味しかった。

そして何より…温かかった。

私の体調や心理状態を察して、その時に合わせたお茶を淹れてくれた。

そんなこと出来るのはヤナセだからかもしれないけど…

私も相手が幸せな気持ちになれる一杯を淹れていきたい。

ラブカル講師たちが与えてくれた至福のひと時を作れるように――――。

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