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第44章 Lesson 仲間

――――そう私には見えたけど、知的女子も長身女子も余りいい顔はしていなかった。

早くも暗雲がモクモクと立ち込めてくる。

いけない…皆んな講師になれるこの日まで頑張ってきたのに…
せっかくの門出をぶち壊したくない。

もし私たちの仲が険悪にでもなったら、ヤナセにも負担を掛けてしまう。

心配気にヤナセの方を見やると、私の視線に気付いて微笑みながら小さく頷いて

「取り敢えず…自己紹介が終わるまで…黙って聞きましょう。質問などは…また後ほど時間を取りますので…」

また同じことが起きないように、配慮をしてくれた。

三人も瞬時に何事もなかったような表情にる。

流石、適応能力は良い。

気を取り直して先ずは自己紹介を続ける。

「えっと…こう見えても既婚歴がありましたが…」

「っ…ん…」

遅かれ早かれだから言ってしまうと、三人とも驚いたように目を開き、特にジュリは何か言いかけそうになって口を噤む。

「このスクールに通う内に…どうしても講師になりたいとの思いが強くなりました…」

講師を目指した思いを話す私をヤナセが目を細めて感慨無量に聞いている。

「こんなチビですがスクールと生徒に少しでも役に立つ講師になりたい思います！皆さんの『仲間』として今日から宜しくお願いします！」

胸に妙に熱いものが込み上がり、勢いのまま語ってしまった。