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第21章 M Lesson ７回目

「どういう意味かな…」

ヤナセの言葉には必ず意味がある。

『どうか構えずに』か…。

控え室でいつもの如く講師を待つが、今日は一段と落ち着かない。

「畳はないから…ハナブサではないか…あっ！茶葉見てみよう！」

立ち上がって、給湯スペースに行こうとした時…

カツン…カツン…

足音が聴こえてきた。

この歩き方は…ホズミでもない…。

今までの経験で、妙な知恵が付いてしまった。

ミラクル…起きたりしないかな…。

違うって解っていても…
無駄な足掻きをしてしまう自分がいる。
　
カツン…ガチャ…

ドアが開くと…

『じゃあ…また…』

さっき聞いた声が、頭を反芻した。

あれは…ヤナセに向けられた言葉じゃなくて…

「今日は…よく当たるな…」

私にだったの？

「ワタリ…さん」

立ち尽くしていると、ワタリは片眉を少し上げ

「チビ…喉渇いたのか？」

変な質問をしてきた。

「いえ…なんでですか？」

「そのスペースに立ってるから…」

「あ…いえ！違いますが！アールグレイで宜しいですか！？」

仏頂面だが、妙に気に掛けてくるワタリに調子が狂う。

「あぁ…」

「畏まりました…」

で…私がお茶を淹れる事になった。