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ラブカルチャースクール 2
第5章 Lesson 御来店
優しく見守るヤナセと、腕を組んで仏頂面のワタリに…

「アールグレイと…えっと…」

そう言えば…銘柄なんだろう?

「クスクス…ブルーマウンテンですよ…」

「ブル…マウンテン…」

聞いた事はある様な…
でもヤナセ効果か、ブルーマウンテンがやたら高級に感じてしまうわ〜。

きっと、缶コーヒーでもグレードを上げてくれそうだ。

ヤナセがカップを持ち口元に近付け、ブルーマウンテンの香りを堪能しつつ

「アルバイト…ここのお店だったんですね…」

「はい…マスターコースを申し込みに行った日に…たまたまここに入って…」

「たまたま…そうでしたか……クスクス…」

ドッキン!

ヤナセは意味深に微笑み…綺麗な唇が濃褐色の液体を一口含む…

「やはり…マスターが淹れて下さった珈琲は、美味しいですね…」

そう言って伏せた長い睫毛が、少し瞳を隠した。

「あぁ…ここなら…いい勉強になるだろう…」

「え?」

驚いて視線をワタリに移すと、砂時計を確認して、アールグレイをカップに注ぐ手付きは…

やはり…綺麗だった。


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