パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第22章 Lesson 一息

ハイブリッドカーのラブカルタクシーはエンジンがやたら静かで、沈黙が余計重く感じてしまう。

取り敢えず…先ずは謝っておこう。

「ヤナセせん…今日は本当に申し…」

「セイジと…ゆっくり話せましたか？」

言葉の途中でヤナセは直球を投げてきた。

ドッキン！！

ひぃぃぃいぃぃぃ〜！
こ、怖いけど…今日は全てヤナセがセッティングしてくれた事なら、何か意図があった筈だ。

「はい…決意を聞いて貰いました…」

指をモジモジしながら答えると、少し広めの空間にヤナセは脚を組んで
 
「そうですか…琴海様がセイジを目標に講師を目指されてた様なんで…少し話せたなら良かったです…」

首を傾け微笑む表情は、ヘーゼルがとても優しく輝いていた。

その瞳に、思わず吸い込まれそうになりながら 

「ヤナセさんは…何でもお見通しなんですね…凄いです…」

心から感心して口を衝いたが、ヤナセはフロントを見詰め、ちょっと遠い目で…

「そんな事…ないですよ…」

一人言の様に呟いた。

その横顔は相変わらず綺麗だったけど…
どこか寂しそうにも見えたのは…
私の気のせいだろうか？
 
しばらくすると車の振動が妙に心地良くって、ヤナセも居たからか気が抜けてしまいグッスリと寝むりこけてた様で、マンションに到着すると

「 琴海様…着きましたよ…」

耳元で色っぽく囁くヤナセの声に起こされた。