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第24章 Lesson 健康診断

「あ…さっきの…」

ドクターはニコニコ微笑みながら、私たちの側に近付いてきた。

ヤナセを見ると…
目を細めている表情が、余り嬉しそうには見えなかったのは…

気のせいかな？

「伊野さんの鉄剤は…もう受け取れた？」

ヤナセは長い睫毛を少し伏せ…

「はい…ご無沙汰してます…叔父さん…」

叔父さん！？

やっぱり血縁者だった！
それも叔父さんなんだ！

こんなに似るなんて…
ヤナセ一族に会ってみたくなる。

「元気そうで良かった…今日涼雅も来てたんだけど…」

「はい…先ほど会いました…」

ヤナセは一旦目を閉じ、ドクターに視線を向ける。

「そうか…ははは…あいつ相変わらずだろ…」

「クス…そうですね…」

ようやく小さく笑った口元に、妙にホッとしてしまう。

「忙しそうだけど…たまには実家に顔出してあげなね…兄さん寂しそうだから…」

「…はい…折を見まして…」

「ふ…頼むよ…」

ドクターはまるで自分の息子の様にヤナセを温かく見詰めていた。

次に私の方に視線を向けて

「伊野さん…お待たせして申し訳ないね…これからもこの子の事宜しくお願いします…」

そう言って…普段のヤナセを彷彿させる様な、綺麗なお辞儀をされた。