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明君のお母さんと僕
第3章 昆虫図鑑
「そう……明もね。オバサンも、この部屋のゴミ箱を片付けていたんだけど、その、ティッシュがね。もう、言わなくても、わかっているんでしょ」
明君のお母さんはようやく少し笑みを思い出したように照れ笑いをして、僕の肩のあたりをポンと軽く叩いた。そのおかげで、僕も若干、気持ちが緩んで、はにかんでいた。
「ね、だから、気にしなくていいの」
明君のお母さんは自分に言い聞かせるように言った。だけどその後、しばらくまた考え込むように黙り込んでしまった。僕はどうしていいか分からず、とりあえず宿題をすることに戻ればいいと思って、問題集に向き合おうとした。
「……苦しくないの?」
明君のお母さんも問題集を覗き込むように、僕に顔を近づけてきた。
苦しくないの? 僕はその言葉を心の中で反芻した。
「苦しくない?」
今度は僕の顔を見ながら聞いてきた。明君のお母さんと目が合う。真っすぐに僕を見据えていて、綺麗な黒目に、もう一人の僕が映っていた。
「くるしい、です」
喉が異様に乾いていて、かすれた声で僕は絞り出すように言った。
明君のお母さんは僕から目を離さない。僕はなぜか試されているような感覚になって、視線をそらしてはいけないようにも思えた。明君のお母さんの桜色の唇が動いた。
「オバサンが……して、あげようか?」
僕は数秒、固まっていたと思う。思考も停止していた。明君のことも頭によぎったと思うけど、そうした罪悪感は僕の額から溢れだす汗のようにタラタラと流れてしまった。
明君のお母さんをもう一度見た。さっきとは違って、わずかに口元が微笑んでいる。どうする? と優しく尋ねるように、細めた眼を緩ませていた。
「してもらいたいです」
僕は言った。渾身の勇気を振り絞ったわけでもない。明君のお母さんに甘えても構わないんだ、と思えたからだ。
明君のお母さんは僕の返事を聞くと、静かに頷いて、
「じゃあ、脱ぐ?」
僕のズボンのあたりを見ながら言った。僕は心臓が喉から飛び出そうなほど緊張していたけど、椅子から立ち上がって、ズボンを全部脱いだ。トランクスは見事なまでにテントを張っていた。
「すごい……のね……」
明君のお母さんは息を飲むように囁いた。目を丸くして、オトナのボクを見つめている。僕は本当にいいのだろうか? と思いながらも、トランクスに手をかける。
明君のお母さんはようやく少し笑みを思い出したように照れ笑いをして、僕の肩のあたりをポンと軽く叩いた。そのおかげで、僕も若干、気持ちが緩んで、はにかんでいた。
「ね、だから、気にしなくていいの」
明君のお母さんは自分に言い聞かせるように言った。だけどその後、しばらくまた考え込むように黙り込んでしまった。僕はどうしていいか分からず、とりあえず宿題をすることに戻ればいいと思って、問題集に向き合おうとした。
「……苦しくないの?」
明君のお母さんも問題集を覗き込むように、僕に顔を近づけてきた。
苦しくないの? 僕はその言葉を心の中で反芻した。
「苦しくない?」
今度は僕の顔を見ながら聞いてきた。明君のお母さんと目が合う。真っすぐに僕を見据えていて、綺麗な黒目に、もう一人の僕が映っていた。
「くるしい、です」
喉が異様に乾いていて、かすれた声で僕は絞り出すように言った。
明君のお母さんは僕から目を離さない。僕はなぜか試されているような感覚になって、視線をそらしてはいけないようにも思えた。明君のお母さんの桜色の唇が動いた。
「オバサンが……して、あげようか?」
僕は数秒、固まっていたと思う。思考も停止していた。明君のことも頭によぎったと思うけど、そうした罪悪感は僕の額から溢れだす汗のようにタラタラと流れてしまった。
明君のお母さんをもう一度見た。さっきとは違って、わずかに口元が微笑んでいる。どうする? と優しく尋ねるように、細めた眼を緩ませていた。
「してもらいたいです」
僕は言った。渾身の勇気を振り絞ったわけでもない。明君のお母さんに甘えても構わないんだ、と思えたからだ。
明君のお母さんは僕の返事を聞くと、静かに頷いて、
「じゃあ、脱ぐ?」
僕のズボンのあたりを見ながら言った。僕は心臓が喉から飛び出そうなほど緊張していたけど、椅子から立ち上がって、ズボンを全部脱いだ。トランクスは見事なまでにテントを張っていた。
「すごい……のね……」
明君のお母さんは息を飲むように囁いた。目を丸くして、オトナのボクを見つめている。僕は本当にいいのだろうか? と思いながらも、トランクスに手をかける。

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