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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
「来年、また探せばいいじゃん」
「あったかくなってだよ? 何ヶ月も行けないんだよ? なんでほのちゃん、そんな意地悪言うの?」
「……意地悪? あたしの言うことが?」
穂乃果はつい、言葉に棘を含ませてしまう。
そんなつもりはなかった。ただ、このままだと美桜がクラスの子達に変な子だと思われてしまう。ビョーキだと疑われてしまう。ーークラスの輪からはみ出してしまうと思ったから。
「そうだよ! だって一緒に来てくれないじゃん! 興味もないのに、クラスの子たちと出かけろって言った! 今年、山でドラゴンに会える最後のチャンスかもしれないのに……っ」
「いい加減にして!」
穂乃果は声を荒げた。美桜の体がびくりとなる。
「なんでわかんないの⁉︎ ドラゴンなんていないんだよ!」
美桜の母親の言葉が蘇る。
ーーごめんね、ほのちゃん。美桜のやることを、あんまり否定しないであげてほしいの。
否定するつもりなんてなかった。だってそういうのは、自然に学ぶことだと思ってたから。ところが美桜は、高校一年になってもまだドラゴンが実在すると信じている。それに対して、イライラした。
このままじゃ、美桜が変な子だと思われてしまう。
「山になんて行かなくていいから、みんなと花井先生のプレゼントを選びに行くの! 日曜の十時だって! 集まる場所は……」
「行かない! そんなの行きたくない!」
「それでも行くんだよ!」

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