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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
「ごめんね、ほのちゃん。美桜のやることを、あんまり否定しないであげてほしいの」
あの日の美桜の母親の言葉が蘇る。
「ここからは人に言っちゃダメよ。美桜はね、すっごく人間に似た、ロボットなの」
「ろぼっと?」
山から帰ってきて、ドラゴンの絵ばかり描くようになってしまった美桜。穂乃果と遊ぶ頻度は極端に減った。毎日毎日同じ絵ばかり。同じ話ばかり。
それが穂乃果は嫌だった。
美桜の関心が、自分からドラゴンに移ってしまった。とても極端に。
それに対して穂乃果が抱いた嫉妬じみた感情を、美桜の母は見抜いているようだった。
「そう。だから、あれ? って思うことがたくさん出てくるかもしれない。それは仕方がないことなんだって、ほのちゃんにはわかってほしい」
「美桜が、おかしいってこと?」
穂乃果は直球に聞いた。美桜の母は困ったように眉を寄せ、しばらく穂乃果の顔を見つめる。
穂乃果も同じように見つめ返した。美桜の縮れたあっちこっちに跳ねた髪と違い、美桜の母の髪は黒くて真っ直ぐだった。
「少し違うところがあるだけ。そういうのをナオすために、一年に四回、メンテナンスをしにいくの」
春休み、夏休み、冬休みに加え、十月の一週間、美桜は病院ではなく、メンテナンスのために研究所に戻る。穂乃果の成長に合わせ、少しずつ美桜に関するあらゆることを教えてくれた。例えばメンテナンスの時に、わずかずつ身長を伸ばし、周りに人間じゃないと気付かれないようにしていること。
この小さな田舎町に越してきた理由も。

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