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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
その週の金曜日の朝。いつものように美桜を迎えに家まで行こうとして、足を止める。今日から来週の木曜まで、美桜は学校を休む。つい癖で、ほぼ真っ直ぐの通学路を左に曲がりそうになった。
美桜の家は穂乃果の家と高校の間にあった。間と言ってもだいぶ穂乃果の家寄りだ。田んぼばかりの真っ直ぐな道の途中、左に一本曲がるだけで美桜の家に寄ることができた。
でも今美桜の家に行っても、美桜は居ない。
穂乃果は一人、黙々と畦道《あぜみち》を歩いて学校に向かった。
この町に、公立の高校は一つしかなかった。少子化や過疎化が進み、クラスの人数は年々減っている。
一年から三年まで、一クラスずつしかなく、生徒の数もそれぞれ二十名前後だ。
少人数のクラスだからこそ、学年あまり関係なく仲が良かった。
そしてフランクに、担任との進路相談も行われる。
「あら、まだ迷ってるの? 大学は機械工学に進みたいんでしょ? 素敵じゃない」
担任の新井《あらい》が小さく首をかしげながら、不思議そうな顔をする。穂乃果が悩んでいる理由があまりぴんと来ないらしい。
「だって、男の子多いんでしょ?」
「まあ、一般的にはね」
「機械が好きな女子って少ないのかな?」
「そんなことないよ。やりたいことがあるなんて素敵じゃないの。手先が器用なほのちゃんにきっと向いてると思う」

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