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如月茜(きさらぎ あかね)
第10章 見せあいこだけって言ってたじゃん
その瞬間、恵麻の脳裏に雷が落ちたように、あの言葉が鮮烈によみがえった。
茜の ――『ちょっと気になってる部分があるんだよね』。
『まあ、わかってるんだけど、まずは母親の君が直接聞いて知るべきかも』
茜が言いたかったのは、まさにこのことだったのか。
子ども扱いするな、自分は大人だと言い張る美咲の姿に、恵麻の中で言い知れぬ違和感と嫌な予感が膨れ上がる。
このまま見過ごすわけにはいかない。
恵麻はすっと立ち上がり、美咲の部屋のドアを軽くノックして、そのまま開けた。
「ちょっと、美咲。待って。ちゃんとして」
「なに? 急に入ってこないでよ」
ベッドの端に腰掛け、露骨に不機嫌な顔をする美咲を見据え、恵麻は厳しく、しかし落ち着いたトーンで切り出した。
「ねえ美咲、あなた最近ちょっと態度が違うけど、学校はどうなってるの? ほら、村上先生とは上手くいってるの?」
恵麻がふと、学校で美咲が楽しんでる村上先生の話をすると、美咲の表情がわずかに強ばった。
目を泳がせ、あきらかに動揺の色を隠せない様子で、そっぽを向く。
「……うん、まあ」
「何その返事は。言葉が少ないわよ。あなたたち、 ちょっと話してごらん」
詰め寄る恵麻の気迫に押されたのか、美咲は唇を噛み締め、バツが悪そうにうつむいた。
「……別に、普通だし……」
「普通じゃないから聞いてるの。村上先生との間で、」
娘の小さな肩がピクリと揺れる。
その反応こそが、恵麻の胸騒ぎを確信へと変えていく。 部屋の空気がピリッと張り詰める中、恵麻はさらに一歩、娘へと歩み寄った。
「美咲、分かってると思うけど――」
恵麻はゆっくりと息を吸い込み、娘のまっすぐな目を見据えた。
茜の ――『ちょっと気になってる部分があるんだよね』。
『まあ、わかってるんだけど、まずは母親の君が直接聞いて知るべきかも』
茜が言いたかったのは、まさにこのことだったのか。
子ども扱いするな、自分は大人だと言い張る美咲の姿に、恵麻の中で言い知れぬ違和感と嫌な予感が膨れ上がる。
このまま見過ごすわけにはいかない。
恵麻はすっと立ち上がり、美咲の部屋のドアを軽くノックして、そのまま開けた。
「ちょっと、美咲。待って。ちゃんとして」
「なに? 急に入ってこないでよ」
ベッドの端に腰掛け、露骨に不機嫌な顔をする美咲を見据え、恵麻は厳しく、しかし落ち着いたトーンで切り出した。
「ねえ美咲、あなた最近ちょっと態度が違うけど、学校はどうなってるの? ほら、村上先生とは上手くいってるの?」
恵麻がふと、学校で美咲が楽しんでる村上先生の話をすると、美咲の表情がわずかに強ばった。
目を泳がせ、あきらかに動揺の色を隠せない様子で、そっぽを向く。
「……うん、まあ」
「何その返事は。言葉が少ないわよ。あなたたち、 ちょっと話してごらん」
詰め寄る恵麻の気迫に押されたのか、美咲は唇を噛み締め、バツが悪そうにうつむいた。
「……別に、普通だし……」
「普通じゃないから聞いてるの。村上先生との間で、」
娘の小さな肩がピクリと揺れる。
その反応こそが、恵麻の胸騒ぎを確信へと変えていく。 部屋の空気がピリッと張り詰める中、恵麻はさらに一歩、娘へと歩み寄った。
「美咲、分かってると思うけど――」
恵麻はゆっくりと息を吸い込み、娘のまっすぐな目を見据えた。

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