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父に刻印された身体
第2章 交錯するまなざしと隠された欲動
成長にともない、私の身体もまた、なめらかな丸みを帯びた女性らしいラインへと変わっていった。母が去り、父が新しいビルに事務所を移したことで空いた自宅の一室。そこに頼み込んでトレーニングルームを作ってもらった。フィットネスバイクやランニングマシン、ダンベルを揃え、学校から帰ると黙々と汗を流すのが日課となった。当時はまだパーソナルトレーニングといった本格的なサービスも知らず、器具の取扱説明書や雑誌の知識に頼る手探りの運動だったが、若さもあって体は着実に変化を見せてくれた。
唯一の心残りは、胸にもう少し栄養が行き渡ってほしかったことくらいだが、それ以外は理想的な仕上がりだった。無駄な肉のないしなやかな腕、きゅっと引き締まったくびれ、丸みを帯びて上を向いたヒップ、そしてすっと真っ直ぐ伸びた脚。ストイックに追い込んできた日々は裏切らない。
汗を拭い、鏡の前で自分のシルエットを確かめるそのひとときが、たまらなく好きだった。この身体なら、どんな服も完璧に着こなせる。そして何より、父の隣に並んだとき、誰からも「美しくお似合いの二人」として見られるはずだ——鏡の中の自分を見つめながら、私は密かな誇りと、父を独占できる優越感に浸っていた。
自分では足を踏み出せないもどかしさを埋めるように、私は部屋の灯りを落とし、海外の官能的なロマンス小説を開くのが日課となっていた。そこに描かれる情熱的な愛撫や、抗えない快楽に身を投じるヒロインに自分を重ね合わせる。ページをめくり、熱を帯びた文章を目で追うたびに、身体の奥がじんわりと熱くなり、見ぬ世界への吐息のような憧れが、どこまでも深まっていくのだった。
そして三日月の刺すような冬の日に中学校の卒業式を終え、桜の蕾が膨らみ始めた頃、私は新たな扉を開く。父の誇り高き娘として、そして密かな情熱を胸に秘めた一人の女性として。私は期待と少しの恐れを抱きながら、まだ見ぬ高校生活という未知の世界へと、しなやかに歩み出そうとしていた。
唯一の心残りは、胸にもう少し栄養が行き渡ってほしかったことくらいだが、それ以外は理想的な仕上がりだった。無駄な肉のないしなやかな腕、きゅっと引き締まったくびれ、丸みを帯びて上を向いたヒップ、そしてすっと真っ直ぐ伸びた脚。ストイックに追い込んできた日々は裏切らない。
汗を拭い、鏡の前で自分のシルエットを確かめるそのひとときが、たまらなく好きだった。この身体なら、どんな服も完璧に着こなせる。そして何より、父の隣に並んだとき、誰からも「美しくお似合いの二人」として見られるはずだ——鏡の中の自分を見つめながら、私は密かな誇りと、父を独占できる優越感に浸っていた。
自分では足を踏み出せないもどかしさを埋めるように、私は部屋の灯りを落とし、海外の官能的なロマンス小説を開くのが日課となっていた。そこに描かれる情熱的な愛撫や、抗えない快楽に身を投じるヒロインに自分を重ね合わせる。ページをめくり、熱を帯びた文章を目で追うたびに、身体の奥がじんわりと熱くなり、見ぬ世界への吐息のような憧れが、どこまでも深まっていくのだった。
そして三日月の刺すような冬の日に中学校の卒業式を終え、桜の蕾が膨らみ始めた頃、私は新たな扉を開く。父の誇り高き娘として、そして密かな情熱を胸に秘めた一人の女性として。私は期待と少しの恐れを抱きながら、まだ見ぬ高校生活という未知の世界へと、しなやかに歩み出そうとしていた。

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