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ヒミツのカルテ
第1章 咲希(32)不感症?
川島の手のひらが、これまであえて避けていた領域——まさに硬く尖った乳頭の先端に、ほんの一瞬、ふわりと触れたような気がした。
「あっ……!」
頭で考えるよりも早く、喉の奥から小さく甘い声が零れ落ちる。
自分の口からそんな艶やかな音が漏れたことに驚き、咲希は慌てて両手で口をぎゅっと押さえた。
顔の火照りは頂点に達し、頭の中が真っ白になる。
恥ずかしさと気恥ずかしさで、その場から逃げ出したいような、あるいは縮こまりたいような衝動に駆られた。
そんな咲希の動揺を察したのか、背後から川島の優しく包み込むような声が降ってくる。
「大丈夫ですよ。恥ずかしがる必要は全くありません。誰に見せるわけでもない、ご自身の身体なんですからね……。もっと力を抜いて、自分を解放していきましょうね」
その言葉は、まるで固く閉ざされていた咲希の心の鍵を、そっと内側から開けていくようだった。
両手で口を押さえたまま、咲希は震える肩を小さく揺らし、ゆっくりと息を吐き出すのだった。

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