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ヒミツのカルテ
第1章 咲希(32)不感症?

三日後。

テーブルの上の温かいハーブティーで一息ついたあと、柔らかいガウンを羽織る。
前回来たときと同じ衣装でありながら、自分の内側にある緊張感と期待感は、前回とは全く違う色を帯びていた。

促されるまま中央の丸椅子に座ると、川島医師が穏やかな笑みを浮かべて近づいてくる。

「3回目の今日は、少しステップを進める前に、前回の復習からしましょうか」

川島はそう言うと、まずは前回と同様に、ガウンの上から咲希の肩や背中、腕へとゆっくりと手を這わせた。安心できるタッチで全身の緊張をほぐしていく。

「お身体の力、よく抜けていますね。……では、前回と同じように、お胸に触れていきますね」

背後へと回った川島の手が、ガウンの上からそっと咲希の胸のふくらみを包み込んだ。

前回は「怖いかもしれない」という不安と恐怖があった場所だが、今回は「何が起きるか」を知っているぶん、別の意味で心臓が早鐘を打つ。
川島の手のひらは、前回の記憶をなぞるように、まずはふっくらとした丸みを優しく撫で、やがてその中心へと滑らかに移動していった。

——乳輪のふち。

前回と同じように、敏感な境界線を羽毛のように繊細な指先がなぞり始めた瞬間だった。
まだそこを直接触られていないにもかかわらず、咲希の身体はすでにその快感を覚えてしまっていた。
ほんのわずかな摩擦がガウンの柔らかい布地を伝わり、敏感な乳頭を刺激する。

「んっ……あ……っ」

前回よりも早く、そしてはっきりと、咲希の乳頭はカチリと硬く尖り、ガウンの生地の形をくっきりと浮き上がらせていった。
反応してしまう自分の身体の素直さに、咲希は恥ずかしさでカッと顔を赤らめる。

「……大丈夫ですか? どこか痛かったり、不快なときは遠慮せずにおっしゃってくださいね。…逆に、気持ちいいな、心地いいなと感じる時は、無理に抑え込まずに、そのまま素直に感じていていいんですよ」

「――っ……」

「気持ちいい」と認めること。
それは前回、心の中に湧き上がってきては自分で否定し、嫌悪感を抱いた感情そのものだった。
頭の中でブレーキをかけようとする理性と、じんわりと熱を帯びていく身体の感覚の間で、咲希の心は激しく揺れ動いた。

返す言葉を探す代わりに、咲希は小さく、しかし確かに、丸椅子の上で頷いた。
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