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ヒミツのカルテ
第1章 咲希(32)不感症?
「ひゃうっ……! あ、あぁぁんっ……!?」
大きく開いたガウンの隙間から、もう自分の姿が隠せないことも忘れて、咲希は両手で丸椅子の座面を強く掴み、全身を大きくのけぞらせる。
「ああっ、んっ、やぁっ……!」
押し寄せる強烈な快感から逃れようと、咲希は小さく身体を捩らせ、左右に逃げようとする。
しかし、川島の両手はそれを許さない。
逃げる先を優しく、それでいて逃れられない確かな力で包み込み、敏感になった乳頭を執拗に刺激し続ける。
「…ほら、素直に声に出すと、もっと気持ち良くなりますからね」
耳元で囁かれたその甘い言葉に導かれるように、咲希の口から、もはや恥じらいを忘れた甘い喘ぎ声が零れ落ちる。
「はぁっ、あぁ……っ! ん、……き、もちいい……っ、もっと……っ」
喘ぎ声の合間に、自らの意志で何度も「気持ちいい」と紡ぎ出す。
その言葉を発するたびに、胸の先から全身へ波及する快感は爆発的に跳ね上がり、脳内が真っ白に染まっていく。
(――すごい、頭がおかしくなりそう……っ)
下腹部のあたりがじわじわと熱くなり、これまでに経験したことのないほどの強烈なうねりが、身体の芯からこみ上げてくるのが分かった。
それは間違いなく、快感の限界——絶頂と呼ばれるものの気配だった。
しかし、咲希はこれまでの人生で、一度も「絶頂」というものを迎えたことがない。
未知の領域へと引きずり込まれそうになる圧倒的な感覚の波を前に、急に恐怖が頭をもたげる。
「ひっ……! あ、待っ……、これ、なんだか……こわい、です……っ!」
急に身をこわばらせ、泣きそうな顔でガウンの袖を握りしめる咲希。
その怯え混じりの変化を、川島は決して見逃さなかった。

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