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ヒミツのカルテ
第1章 咲希(32)不感症?
「――咲希さん、気持ちいいですか?」
背後から掛けられた川島の声は、どこまでも優しく、包み込むような温かさに満ちていた。
あまりの快感に震え、涙目になりながらも、咲希はその問いに必死で声を絞り出す。
「き……気持ちいい、ですっ……! でも、怖いっ、やだ、なんだかへんになっちゃう……っ!」
「ふふ、怖がらなくても大丈夫ですよ。身体がちゃんと、次の場所へ行きたがっている証拠ですからね」
川島は咲希を安心させるように、両手の指先で乳頭を優しく労わるように撫でながら、さらに甘く囁いた。
「ここを越えると、もっともっと気持ちよくなれる場所があるんですが……。どうしますか? 一緒に、もう少しだけ頑張ってみますか?」
「っ……!?」
「もっと気持ちいい」という言葉に心が甘く揺さぶられる一方で、未知の領域への恐怖はまだ消えていなかった。
頭の中は真っ白に濁り、身体の芯で渦巻く熱は限界を超えようと暴れている。どうしていいか分からず、咲希は頭をぶんぶんと横に振った。
「わかんないっ……! こわい、です……っ!」
泣き言のような切実な声を漏らしながらも、咲希の身体はすでに川島の手にすがりつくようにして、その甘い刺激を求めて小さく震え続けていた。
「怖いですよね……そのままでいいんですよ。焦らなくて大丈夫ですからね」
川島は優しく肯定しながらも、咲希の胸をとらえている手を決して離そうとはしなかった。
むしろ、怯える彼女の呼吸のペースや、全身の微細な反応を逃さないように、神経を研ぎ澄ませている。
背後から伝わってくる咲希の心拍や、胸の筋肉の微かな引きつり、そして吐息に混じる「あっ、あぁっ……」という甘い声を細かくチェックし、川島は彼女が決してその刺激を嫌がっていないことを確信する。
「大丈夫。ちゃんと体が心地よさを覚えていますよ。もう少しで、その怖さが全部気持ちよさに変わりますからね。……一緒に頑張ろうね」
耳元で優しく囁かれるその言葉は、不思議と咲希の不安を溶かしていく。
その直後、川島は彼女を新しい領域へと導くように、両手の指先で乳頭を捉える力をもう一段階だけ強くした。
「ひゃうっ……!? あ、あぁぁんっ――!!」

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