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第9章 <板挟み>

『田所、お前野原ん家に住んでるのか？』

事務所に他の社員がたくさんいるときに、デスクに座る恭平さんに嶋さんが突然聞いてきた。

『なんでそんなこと聞くんです？』

『よく野原ん家の駐車場に、お前の車が停まってるからよ。』

嶋さん曰く、私のアパートの近くを最近よく通るらしい。
それで駐車場に停まる恭平さんの車を多々目撃してるとか…。

まず、嶋さんが私のアパートを知ってることに驚き。
近くを通ったとしても、駐車場の車まで見てることに尚更驚いた。

そのあと結局恭平さんは言い訳に困って黙ってしまい、認めてしまったような雰囲気になってしまった。

すると、いつからそこにいたのか…社長も話を聞いていたようで

『田所君、野原君、二階の会議室に来なさい。』

っと二人で呼び出されてしまった。

(とうとうこの時がきたか…早かったなぁ。)

社長に呼ばれたということは、理由は１つしかない。