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おじさんとお子ちゃま
第10章 <悪夢>
『そんなことよりさ、今自分がおかれてる立場分かってんの?』

「え?」

中野さんはいきなり運転席に座りながら、助手席に座る私の右手首を掴んできた。

「なっなんですか?!離して下さい…。」

『そう逃げるなって。俺さ、田所なんかより先に野原のこと狙ってたのにさー…あいつのどこが良いわけ?
あいつ性格悪いし良いとこないじゃん。』

「そんなことありません。恭平さんはただ強がってるだけです。」

『ふーん。でもあいつ社員の殆どに嫌われてるじゃん。
野原もそのことしってんだろ?』

「はい…。」

『じゃあさ!俺田所と仲良くしてやるよ!』

「良いんですか?」

『その代わり、野原さ…俺とも付き合って。』

「え?」
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