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第5章 <お酒のちから>

『野原さん、もう帰るの？』

ふと、田所課長が私を見てそう言った。

「帰りますよー！
田所課長も今日は早く帰らないと、明日遅刻しますよ。(笑」

田所課長は次の日の接待ゴルフに強制参加だった。

『そうだなー。
今日はもう少ししたら帰るかな。』

「おっ！珍しい！
あれなら、飲みに行きましょうよ！(笑」

『え…？』

「ふふっ、冗談ですよ冗談!!(笑」

『そうか…？』

「ん？ま、なんかあったら電話下さい！
あたし、いつでも暇してるんで！(笑」

『分かった。』

「じゃぁ、お先に失礼します！」

『おつかれー。』

私からしたら冗談を交えた、社交辞令のような会話だった。