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第1章 不倫王の最近の憂鬱

現在彼には、彼を守る１３人のエンジェル達がいる。

１人目は
名古屋にに住むバツイチ夫人

２人目は
埼玉南部に住むヤクザの情婦である３０歳の女

３人目は
芝浦の超高層マンションに住む女社長

４人目は
岐阜に住む新婚新米看護婦

５人目は
犬山に住む×１のインテリアコーディネーター

６人目は
大阪に住む×１の看護学校の教師

７人目は
久留米に住む×１のキャリアＯＬ

８人目は
沖縄に住む新婚の主婦

９人目は
狭山に住む×１のキャリアＯＬ

１０人目は
元同じ会社の２４歳のＯＬ

１１人目は
元同じ会社の既婚の女次長

１２人目は
元同じ会社の３１歳の結婚願望のないＯＬ

１３人目は
２６歳の音楽学校のピアノ教師

という具合だ。

彼女達はお互いに不倫王の素性をある程度知っており彼を共有している。もちろんこの中には身体だけの関係でないエンジェルもいる。

他にも彼には呼べばいくらでも体を提供する女たちがいるがそれはここでは触れないでおく。

このように不倫王という男は女性の間を波乗りの様に波を乗り分けていく生き方をしており、常に上昇志向でいい女に出会えたらランク下から切っていくという方法で女たちを食い物のようにしている。

しかし、なぜか女達は彼を恨むことすらない。

なぜか・・・。

彼は不倫王という仇名にプライドを持ち全国の女性に夢を与えるという使命を礎にしているからなのだ。

それが捨てられていく女たちの人生にも上昇の道が引かれるので彼に感謝はしても恨むことはないのだ。

彼は２５歳まではただの”女の敵”だった。

　刺されてからの彼が変わったのか・・・。

　いや、違う。

彼はある女に出会い相手を慈しむことを教わり本当の愛情をその女から受けることによって開花したのだ。

彼の事を細かく描写していけば、それは長編小説が上下巻で書けるだろうが、今は彼、不倫王の一部の姿をここに記した。