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第15章 ２人の母親

「麗ちゃん！蓮に会いに来たんでしょ？待ってて今、呼んでくるから」


私は中に入ろうとしたけど


麗ちゃんは、私の腕を掴みそれを阻止した。


「今日は、七海ちゃんに会いに来たの・・・」



「でも・・・」



私は蓮に会わせてあげたかった。


どうしても、蓮に会わせてあげたい。



「お願い・・・七海ちゃん。蓮にはまだ会えないの・・・」


麗ちゃん・・・。どうして？蓮。凄く会いたがってるんだよ・・。


でも、麗ちゃんの話を無視も出来ない。


「蓮・・元気？」


「うん、元気だよ、麗ちゃんに会いたがってるよ・・・」


表情は凄く辛そうだった。


そうだよね、手の届くところに蓮が居るんだもんね。


「蓮と一緒に住んでるんでしょ？」


「えっ？・・・うん。お母さんから聞いたの？」


「うん・・・。七海ちゃんが近くに居てくれて本当に良かった・・
　七海ちゃん・・蓮の事好き？」



いきなり予想外の事を聞かれ、私は驚いた。


でも、ここは正直に答えよう。


「うん！大好き。蓮は私の大切な人だから・・」


「ありがとう・・七海ちゃん・・ありがとう」


麗ちゃんの頬を涙がつたっている・・・。


どうしてお礼を言われてるのか良く分からないけど


麗ちゃんは、ずっと私に、ありがとうと言い続けた。