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第5章 無言電話・・・。

玄関を開けると、後藤さんがニコニコと笑顔で立っていた。


「こんにちは！良かったー今日休みだったんだね！」


「えぇ！どうしたの？」


「クッキー焼いたの！一緒に食べようと思って！」


後藤さんは、手に持っていた皿を嬉しそうに突き出した。


「おいしそう！・・今ね静香さんも来てるの！みんなで一緒に食べません？」


静香さんの名前を出すと、少し表情が固くなった。


「ねぇ・・あの話とかしたの？」


急に小声で聞いてきた。


「まさか・・・出来る訳ないよぉ・・・」


私も小声になってしまう。


「さぁ！どうぞ！上がって！！」


少し、躊躇しながら後藤さんは部屋に上がった。


「おじゃましまーす！」


リビングに入ると、静香さんはコーヒーを飲んでいた。


「お隣の後藤さんも一緒にお茶しましょう！」


「えっ？ええ」


静香さんも少し気まずそうだった。


この二人何かあるのかなぁ。


まぁ。あんまり首を突っ込むのはよそう・・。


「後藤さん、ここに座って！今、コーヒー煎れてくるから・・・」


「あっ・・・うんありがとう・・・」


後藤さんは椅子に座り、その空間が少し変な空気になった。


あれ・・・まずいことしちゃったかな・・・。


「あっ・・・七海さん・・・ごめんなさい、私コーヒー飲めないの・・・」


っと申し訳なさそうに言ってきた。


「そうなの？じゃぁ・・・ココアは？？」


「それなら大丈夫！わがまま言ってごめんね・・・」


「大丈夫よ！ゆっくりしててね！」


私は、キッチンに向かった。