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「私が欲しいですか?お嬢様」
第14章 執事〜颯太の想い〜

カチ。
「はい、終わりましたよ」
ドライヤーを片付ける。
「ありがとうございます」
そのまますぐに夕食を
テーブルに並べた。
目の前にきた、スープカップを
見ると玉ねぎがたっぷり。
「颯太さんのスープこれ??」
「はい、オニオンスープです。
特製ですよ」
ニッコリ笑う颯太さん。
すごくいい香り。
コンソメだけじゃないかな?
生姜の香りもする。
「いただきます!」
「どうぞ、召し上がれ」
さっそく颯太さんが作った
オニオンスープを飲む。
「ん…」
颯太さんがじっと見てる。
「おいし…すごく美味しい!」
あたしの言葉を聞いて
颯太さんの顔が緩む。
「良かったです。
次はぜひ、彩芽様のお料理
食べさせてくださいね」
「もちろんっ!」
和やかな空気のまま
あたし達は食事を済ませた。
ーーーーーーーーーーーーーー
食事の片付けを済ませ
部屋に戻ってきた颯太さん。
あたしは今がタイミングだと
話し始めた。
「颯太さん、聞いてもいい?」
椅子に座るあたしの目の前に
膝をついた。
「はい」
聞くのが少し恐い…
けど、このままじゃ嫌だ。
小刻みに震える手に
そっと颯太さんの手が重なる。
「…聞いたのですね、私と
田島先生の関係を」
ドキッ
あたしよりも先に
言葉を発したのは颯太さんだった。
「あの話は…本当なの…?」
ぎゅっとより一層
握る力が強くなる手。
颯太さんは視線を伏せ答えた。
「事実です」
ズキンッー
胸の奥がズキンと痛む。
事実…
「そ、そっか…」
話したいと思っていたのに
いざ聞いたら何を言っていいか
全然わからない。

