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「私が欲しいですか?お嬢様」
第14章 執事〜颯太の想い〜
「私は彩芽様をお慕いしております」
お慕い…って。
好きってこと…?
まさかそんな。
颯太さんの言葉がひたすら
頭に響いてリピートされる。
「私はあなたのおかげで
救われたのですよ。
ずっとずっとお会いしたかった…
けれど、私は先生をずっと
あなたの代わりとして抱いてきました」
あたしに会いたかった?
あたしが救った…?
あたしには言ってる事の意味が
よくわからなかったけど
それを詳しく聞く事もできなかった。
それよりも
あの先生をあたしの代わりに
抱いていた事の方が
ひっかかった。
「代わりって…そんな事を…
だから、先生を抱いたの?」
「…はい。あの方を抱くたびに
あなたと重ねていました。
申し訳ありません…」
「申し訳ありませんって…
なんで、そんな…」
じゃあ颯太さんは
いつも先生を抱きながら
そこにあたしがいるように
思っていたってこと?
先生の気持ちを知ってて?
「私のしてきたことは最低です。
それは重々承知しております」
重ねていた手をぎゅっと
握る颯太さん。
あたしはあまりのことに
ただ黙って彼を見つめた。
「もう今後一切、先生との
関わりを持つつもりもございません。
先生ともお話してきました」
あたしの目を見て話を続ける颯太さん。
「ですが、これは紛れもない
事実です。
…ですので
彩芽様がお決めください。
お試しをすぐに終了し、別の者を
執事に迎えるか。
それとも私を専属として
迎えてくださるか…」
お試しをすぐに終了…?
「お試しを、終わりにしたら…?」
颯太さんは切なげに笑う。
「私は桜凛学園を去ります」
学園を去る…
それはもう二度と会わないということ。