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「私が欲しいですか?お嬢様」
第2章 執事〜選択〜
突然の言葉にひかれている右手を
戻そうとした。
けれど、その右手はしっかりと握られ
決して離してはくれない。
「あ、あのっ!手…手を!」
あたしが慌てていても
この人は表情一つ変えない。
「手が、どうかなさいましたか?」
どうかって!
この人離すつもりないの!?
いや、でも離してほしい…
手の感触が気持ちいいから
余計に恥ずかしいんだ。
「彩芽様?」
「手を…離して、ほしいです…」
握っている手をチラッと見る。
この人は、あぁ…という顔をして
離そうとゆっくりおろし始めた。
あぁ、やっと解放されーーっ!!??
ギュゥウウウウー。
解放されると思っていたら
おろした瞬間、手首をつかまれ
抱きしめられた。
「あ!あの!ちょっ!!」
どうしよう
どうしよう
どうしよう
いきなり、こんな!
しかもさっき会ったばかりなのに!
抵抗しようにも、抵抗の仕方が
わからず、ただ身体を硬直させた。
どのくらいたっただろう。
抱きしめられている腕の力が少し弱まり
解放されそうになる瞬間
耳元で囁かれた。
''あなたはきっと、私を選ぶ''
ーっ!?
「さ、続きをご案内致します。
参りましょうか」
解放され何事もなかったかの様に
ニコッと笑い、また手をひかれた。
な、何、今の…!?
戸惑いながらも、あたしは
心臓がうるさいのを止められなかった。