この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第25章 彩芽〜繋がる心〜

颯太さんは嬉しそうな顔をして
あたしを抱きしめた。
「やっと呼んでくれた…」
「〜っ…!」
名前を呼んだだけで
こんなに喜ぶなんて
思ってもみなかったから…
あたしも嬉しくなって
颯太さんの背中に手を回した。
「彩芽…約束…覚えてる?」
約束…って。
結婚のだよね。
でもあんな小さい頃の約束…
「あの時は何も知らない状態での
約束だったけど…
私はその約束、必ず守ります」
え…?
あんな小さい頃の約束でも
果たそうとするの…?
「…いいの?あの頃とは
あたし…全然違うと思うのに…」
あたし達ふたりは
抱き合ったまま会話をした。
「私の中では、何も変わってないです。
彩芽…私はあなたを…」
そっと身体を離すと
右手だけが頬を包み
腰に回された左手で引き寄せられる。
あたしの目をまっすぐ見て
こう言った。
「愛しています…」

