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「私が欲しいですか?お嬢様」
第25章 彩芽〜繋がる心〜
「…彩芽も呼んで…?」
「〜っ!?」
いきなり敬語までなくなってるし!
こんな展開、思ってなかった。
考えてなかった。
絶対呼ばないって思ってたのに…
あたし…颯太さんの事
何もわかってなかった…
どうしようっ!
あたしがずっと黙ったままいると
颯太さんは唇を重ねてきた。
チュッ…
「彩芽…呼んで?」
ドキドキして心臓がもたないっ
目を合わせる事もできなくて
かといって、抱きつくことも
できなくて…
言うしかないんだよ…ね…
うぅ〜…でも…
あぁ〜…
おでこをくっつけたまま
じっと見つめてくる瞳。
こんな時に限って
眼鏡はかけたまま…
あたしはこの姿に弱いのに…
「そ……そう…ちゃん…」
たぶん小さい声だった。
出てるか出てないか
わからないくらいの
小さな声。
あたしは呼んだあと
ぎゅっと目をつむった。