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「私が欲しいですか?お嬢様」
第33章 颯太〜新たな出発〜

『紅女学園、卒業式をはじめます』
あたしの隣には、颯太さんの姿。
最後の、執事の姿。
その横顔は、出会った頃よりも
大人になった気がする。
思えば、いきなり晴人さんがきて
それからこの学園にきて
驚いたことばかりだった。
あんなことや…こんな…///
まぁ、それは置いておいて。
学園長が話してる中、横を見る。
列の向こうには、結斗さんと尚弥さん。
2人とも、優しく微笑む。
だからあたしも微笑み返した。
おめでとうって言ってもらってるみたい。
そんなあたしに気づいた颯太さんは
小声で声をかける。
「何を…見ているのですか?」
「あ、ううん」
あたしは慌てて前を向き
この学園にきてからの毎日を振り返った。
突然ぎゅっと手を握られる。
驚いて颯太さんを見上げると
口元をあげ小声で言った。
「彩芽様…今日の夜は覚悟していてくださいね?」
「…え?」
そこに光るは妖艶な瞳。

