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「私が欲しいですか?お嬢様」
第33章 颯太〜新たな出発〜

1年、早かった。
「彩芽っ!」
桜の花びらが舞う木の下で
この1年を振り返っていたら
詩織が声をかけてきた。
「卒業式、始まるよっ!行こ?」
「うん」
詩織の横には大和さんがいる。
大和さんは詩織を本当に好きなんだと思う。
詩織を見る目は、いつも優しい。
「ねぇ、詩織…」
「ん?」
「卒業…できてよかったね…クス」
「わっ!ひっどい!彩芽ー!!!」
そうそう、詩織はいつもテストが
赤点ばっかり。
単位もギリギリ。
卒業も危ういなんて言われてた。
「こらー!!あやめ!!」
あたしは走って逃げる。
なぜか大和さんも走る。
「な!なんで大和まで!!」
走ってきた大和さんは
あたしに話す。
「ここだけの話、
詩織様に勉強を教えるのは
一苦労でした…」
2人で大笑いした。

