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「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜
「今ついているのは私です。
あんな姿見せられて…」
膝をついていた尚弥さんが立ち上がる。
「尚弥さん…?」
ガバッー!!!!!!
ーっ!?えっ!?
押し倒され両手首を押さえられた。
「な、尚弥さん??」
「今、お試しとはいえ
専属についているのは誰でしょうか?」
「尚弥さん…です」
それを聞いてフッと笑う尚弥さん。
「尚弥さん…?」
「俺は、専属についてる間
他の奴に触れられるのは嫌なんだよ…」
え?話し方が…普通になって…
「今は俺だけのお嬢様、だろ?」
「え、あ、はい…」
「他の誰にも触れられてんじゃねぇよ」
いつもの尚弥さんと全然違う。
これは…どうしたらいいのかわからず
あたしは戸惑っていた。
「俺を見ろ…彩芽」
こんな言い方をされたら
見るしかない。
「いい子だ…痛いか?」
押さえつけられていた手首を
気遣う。
あたしはただ首を横にふった。
右手はそっと手首から離れ
頬に触れた。
「驚かせた…ごめん」
勢いがあった尚弥さんは
少しずつ力が緩んでいく。
「せめて、この一週間だけは
俺だけを見てくれ」
切なそうに苦しげに言う言葉に
あたしはゆっくり頷いた。
頷くと、さっきまでの顔が嘘の様に
優しく微笑んだ。
「彩芽…」
そう言うと、ゆっくり
あたしに唇を重ねてきた。