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昨日の夜は
第2章 真樹
「猫、なんてどうです?」

真樹の爪の形を整えながらネイリストの円が言った

「にゃーんなんてお出迎え、ですよ かわいいですよ

毎日癒やされちゃいますよ~」

最近、あまり眠れない、と真樹が話したら円が答えた

「猫、ねー、それもいいかなぁ

実家にいたとき飼ってたけど、でも、うちのマンションだといいのかなー」

「暗黙の了解で一匹ぐらいなら。うちのマンションも原則禁止ですけど

みんなこっそり飼ってるんです、結構いると思いますよ」

円はペロッと舌を出した

「そうなんだ」

「やっぱり、かわいいですよ

ただいまぁーおかえりーって家族って感じですよね」

「円ちゃんは彼と同棲でしょー」

「えへっ。でも、かわいいだけじゃすまないのが男ですよぉ・・・」

「そりゃそうだ」

円は仕上がった真樹の爪を満足げに眺めた

「できましたよ

真樹さん、たまにはストーン付けませんか?おまけしますよ」

「んー、また今度お願いするわ」

「思ったより邪魔にならないんですよ、真樹さんは指も爪もきれいだから

きっと素敵ですよ」

「そうかな」

「小指にこれ、どうです?」

円がピンクのハートのストーンを取り出して真樹に見せた

「小指だと邪魔になりませんから

これ、きれいでしょう、小さいけど結構目立つんですよ」

「ん・・じゃあ、ひとつお願い」

「じゃ、今日はお試しサービスにしておきます」

円が真樹の小指に小さなハートをのせた

「ほらね、素敵でしょ」
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