この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第5章 『俺』の気持ち

──────────…
所変わって…
昼食を終え、今だ我が子誕生に浮かれる佐藤と共に、琉はオフィスへと戻っていた。
「赤ん坊の世話ってのは大変だよな。夜中に起きなきゃだから朝は起きれないって言うし、夜中に起こされるからって俺の帰宅も待たずに寝ちゃうし…」
「……寂しいなら飲みに行かずに帰ればいいでしょ」
「お前なぁ! 嫁さんの実家がどれだけ気を使うか……」
既婚の男性社員の間でたまに話題に上がる。
嫁さんの実家…
項垂れる佐藤を見ていれば、それがどんなものか何と無く想像もつく。
愛里咲に両親は居なくても、親戚はいるわけで…
「陽音優先でいいんだよ!ワガママは言えない!お義母さんは起きててくれるしな。うん、今は我慢の時なんだ! 琉もそうだったろ⁈ 」
─────いろいろと1人でやろうとするのは愛里咲の悪い癖だ。
だから、同居になってでも助けてもらおうと思っていた。
3ヶ月半、笑顔で過ごしていた愛里咲。
だが、
やはり1人で双子を見るとなると大変らしく、最近ではその笑顔が曇りつつある。
はぁー…
同時に大きなため息を吐き出し、顔を見合わせて苦笑いする。
すぐに口を開いた佐藤の背中に、
ドン!
白髪の男性がぶつかった。
所変わって…
昼食を終え、今だ我が子誕生に浮かれる佐藤と共に、琉はオフィスへと戻っていた。
「赤ん坊の世話ってのは大変だよな。夜中に起きなきゃだから朝は起きれないって言うし、夜中に起こされるからって俺の帰宅も待たずに寝ちゃうし…」
「……寂しいなら飲みに行かずに帰ればいいでしょ」
「お前なぁ! 嫁さんの実家がどれだけ気を使うか……」
既婚の男性社員の間でたまに話題に上がる。
嫁さんの実家…
項垂れる佐藤を見ていれば、それがどんなものか何と無く想像もつく。
愛里咲に両親は居なくても、親戚はいるわけで…
「陽音優先でいいんだよ!ワガママは言えない!お義母さんは起きててくれるしな。うん、今は我慢の時なんだ! 琉もそうだったろ⁈ 」
─────いろいろと1人でやろうとするのは愛里咲の悪い癖だ。
だから、同居になってでも助けてもらおうと思っていた。
3ヶ月半、笑顔で過ごしていた愛里咲。
だが、
やはり1人で双子を見るとなると大変らしく、最近ではその笑顔が曇りつつある。
はぁー…
同時に大きなため息を吐き出し、顔を見合わせて苦笑いする。
すぐに口を開いた佐藤の背中に、
ドン!
白髪の男性がぶつかった。

