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第6章 弟の友達
目を細め、顔を顰めた琉に、

「ひぃぃいいっ、ごめんなさい‼︎ 」

慌てて飛び退いた愛里咲は、ベッドサイドに置かれたタオルを引き寄せた。


ポンポンと軽く叩くようにして水分を拭き取る。

「ごめん、ベタベタするよね? タオル濡らしてくる、か…ら……?」

立ち上がった愛里咲の手が、グッと引かれる。


ドサリと再び天井を見上げる愛里咲。

その視界を埋め尽くすかのように、琉の顔が近付いてくる。


拭き残した滴が、ツー…っと琉のシャープな顔の輪郭に沿って伝う。

口端まで辿り着いた滴は、ペロリと出された琉の舌に舐め取られた。


─────ドキン…


一連の仕草に、愛里咲の心臓が高鳴る。

真っ赤に染まる愛里咲の顔を満足そうに眺めながら、琉は両手で愛里咲の両手を頭の上に拘束した。


「そのタオルで、どっち塞いで欲しい?」

先程、琉の顔を拭いたタオルを持った琉が、意地悪く口端を持ち上げて笑う。


「あ…っ…はぁ…はぁ……」

それだけで乱れ始める呼吸に、愛里咲は益々顔を赤に染めていく。


「言えよ、ほら? 目ぇ塞ぐの? それとも、手ぇ縛んの?」


うっとりと琉を見上げた愛里咲は、琉の言葉にどちらともコクコク頷く。


「愛里咲の変態」

「─────…っ‼︎ 」

耳元で囁かれた琉の掠れた低い声に、

愛里咲の身体はゾワリと粟立った。


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