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第6章 弟の友達
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冷めたご飯を食べながら、翔は携帯を触っていた。

メール画面を開いては文章を打ち込み、うーんと唸ってその全てを消す。

かと思えば、電話帳を開いて ”槙野渚” の番号を発信画面まで持っていく。


「〜〜〜〜〜っ…‼︎ 」

ギューっとキツく目を閉じて、持っていた箸がギリリと軋む程に握り締める。


そしてまた、ピピッとボタン音を立ててメール画面で文章を作る。


『この前はごめん。ちゃんと話したい。明日の夜、時間を作ってもらえませんか?』


ピッと一音立てて、翔の心からの言葉が渚の元へと運ばれた。


”俺は琉と違ってそういうの上手くないよ”

渚と一緒に仕事をする事が決まった時、溜息混じりに零した卑下た言葉。


”もうっ! いくら兄弟だからって、夏川さんに琉くんと同じものを求めてはいないです!”

頬を膨らめ、それを笑い飛ばした渚。

多分、あの瞬間から恋に落ちてた。


”夏川さんて…ちょっと口下手な所があるけど、下の子がやるような雑用もサラッとやってくれるし、時間の使い方が上手だから残業も殆どしないでしょ? 皆、見習いたいって褒めてますよ”

渚に褒められて、ニヤニヤが止まらなかった。


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