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第6章 弟の友達
愛里咲の話も、双子の話も、いつだって笑顔で聞いてくれた。

落ち込んだり、愚痴を零したり、そんな情けない話には、相槌を打ち励ましてくれた。


”ずっと一緒にいたら、離れるの淋しくて当然ですよ”

愛里咲たちが自宅に戻る前、思わず零した寂しさを受け止めてくれた渚。


愛里咲の手料理が食べられなくなるのが嫌だなんて、子供みたいにごねた翔に、

”私が作ってあげましょうか?”

すごく嬉しかったのに…


”……私、夏川さんが好きです”



(このままじゃ…嫌だ‼︎ )

手の中の携帯をキツく握った時、

♪〜

短いメール着信音が鳴った。


『私ももう一度キチンと話したかったです。明日、仕事終わったらメール下さい』


生きることに器用な弟を妬むばかりだった自分。

旦那の兄へと向けられた視線に舞い上がり、琉の築いた家族を ”妬み”、欲しいとすら願った。


でも、そんな自分は卒業する。


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