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第6章 弟の友達
定時で仕事を終わらせ、最寄り駅で渚と待ち合わせる。


「あ……」

「どうも……」

ぎこちない挨拶をし、翔と渚は並んで歩き出す。

会社近くの店では気まずいからと少し離れたところまで来たのに、会った瞬間から気まずい。

言うべきことは早く言ってしまおうと、翔は近くの公園へと渚を誘った。



「えっと…これ……」

来る途中で見かけたカフェで買った、渚の好きなオシャレな名前の珈琲を差し出す。


「……ありがとうございます」

そう言って受け取ると、渚は久しぶりに翔に笑顔を見せた。


「─────っ…」

翔の心臓が一気に忙しくなる。

余りの緊張に、自身の心音が耳に届くくらいだ。


「あ、謝って済む話じゃないのはわかってる。でも、俺には謝る事しか出来ないから……」

立ち上がり、翔は渚に向けてガバッと頭を深く下げた。


「疑ってごめん!

嬉しかった…すごく、嬉しかったんだ。

……俺も、槙野さんが好きだから」


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