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第6章 弟の友達

バキッ‼︎

骨が軋むような音と、

「きゃあぁぁぁっ‼︎ 」

女の悲鳴。


そして、

ジンジンと痛み出す右手の甲の痛みに、琉はハッと我に返る。


目の前には、

驚いた顔で固まる塚本と、

怯えた様子の女の子たち。


その、足元に…

「………え……佐藤、さん？」

殴られた左頬を押さえて倒れこむ、佐藤の姿があった。


「ちょ…佐藤さん⁈ 大丈夫ですか⁈ 」

琉が佐藤に駆け寄る隙に、

「お、俺は関係ないからな！ もう2度とお前らと関わるつもりはない！ 知らん知らん、お前らなんか知らんヤツだ」

琉が引き止めた少女1人を残し、

その他の女の子4人を引き連れて逃げるようにその場を去る塚本。


「いってぇ…」

佐藤の口端には血が滲んでいて、

「す、すみません。俺、塚本さんを…」

琉はポケットから、慌てた様子でハンカチを取り出した。