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第6章 弟の友達
「バカだな、琉。塚本さんを殴ったら、それをネタに脅されるかもとか思わなかったのかよ?」

ハンカチで血を拭いながら、時折痛みに顔を歪めた佐藤が苦笑いする。


「お前、ホント、愛里咲ちゃんの事となると冷静さを失うよな」

「すみません…」


全くその通りだと、琉はただ謝る事しか出来ない。


「まぁ良かったじゃん? 塚本さん本人が、もう俺らとは関わらないって宣言してったんだからさ」

「え?」


佐藤に言われ、冷静に思い出してみれば、

”お、俺は関係ないからな! もう2度とお前らと関わるつもりはない! 知らん知らん、お前らなんか知らんヤツだ”

去り際の塚本の言葉は、願ってもない言葉だ。



「一先ず…っていうか……心から安心は出来ないですけど」

「ま、退職金が底をつくまでは安心だろ」

互いに顔を見合わせ、なんとも言えない表情を苦笑いする。


そこに、

「あ、あの…」

遠慮がちな声が掛けられた。


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