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第7章 『俺』の彼女
ちょうど昼休み。

佐藤に連れられて、琉がすぐにやって来る。


「ああ、拾ってくれたんだ。ありがとう」

ニコッと微笑む琉に、芙由の顔が一気に赤くなる。


「いえ! あの、どうしてももう一度御礼が言いたくて…」

芙由の言葉に、チラッと琉が愛里咲を見やる。

小首を傾げる愛里咲に、琉は捲し立てるように言葉を紡いだ。


「何の話? 御礼言うのは俺の方じゃない?」

「違います! あの、昨日の…」


塚本の事は愛里咲に聞かせたくない。

咄嗟に、琉は芙由の手を取る。


「御礼するよ、社食でいい?」

「え? あ、はい…」

益々顔を赤らめる芙由の返事も聞かず、琉はその手を引いて歩き出した。


「愛里咲、ちょっと待ってて」

「うん……」

背中を向けたまま掛けられた声に、愛里咲は気のない返事を返す。


「大丈夫だよ、俺も行ってくる」

そう言うと、双子と遊んでいた佐藤がスッと立ち上がり、2人を追いかけて駆け出していた。


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