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第7章 『俺』の彼女
翔の会社へと着き、目の前の駐車場に車を停める。


「兄貴のやつ、図々しいな」

自分に渡されたお弁当と同じ大きさの弁当箱を袋へと詰める愛里咲を見て、琉の口からはそんな言葉が零れていた。


「私が先にお弁当持ってくなんてメールしちゃったから、気を使ってOKしてくれたんだよ」


自宅マンションに戻ってから、翔から頻繁に ”また愛里咲ちゃんの料理が食べたい” と言われていた。

琉の昼御飯は佐藤と外食する事が多くお弁当を作る事がないのだが、珍しく作れなんて言われたからいつもそう言ってくれる翔にも作ろうと勝手に作っていた。


「陽向と陽花、見ててくれる? 連れてくと大変になるから」

そう言って車から出て行く愛里咲を、憮然とした顔で見送る琉。


ジワジワと広がっていくのは、

愛里咲のお弁当を食べる翔に対する嫉妬なのか…

漠然とした不安感なのか…


フーッと小さく息を吐き出すと、琉はスヤスヤと眠る双子の顔を覗き込んだ。

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