この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第7章 『俺』の彼女

ピン!
エレベーターのドアが開き、
「あ、翔さん」
その隙間に翔の姿が見えた。
(ふふっ、真面目な顔してる〜)
どこか緊張したような顔をして、翔がエレベーターのドアを押さえる。
その奥から、翔の接客中の相手であろう男性が2人降りてきた。
「─────…っ⁉︎ 」
そのうちの1人に、愛里咲の視線は釘付けになった。
釘付け…というよりも、凍りつくといった表現の方が近い。
翔よりも先に愛里咲に気付いたその人は、
「久しぶりだね」
その人……白取は、恐ろしいくらい満面の笑みで愛里咲の方へと近付いて来た。
(やだ…っ、怖い…)
声を出す事も、身体を動かす事も出来ない。
愛里咲は無意識に自身の身体を掻き抱いていた。
固まる愛里咲の間近に白取が立つ直前、
「愛里咲‼︎ 」
強い力で身体が後ろへと引かれる。
ドサッと抱き寄せられた腕の中。父親となり今まで以上に逞しく感じる広い胸に、愛里咲は身体を擦りよせた。
恐怖に速まる愛里咲の心音を落ち着かせてくれる琉の心音。
だけど、今日は琉には珍しく忙しなく動いていた。
エレベーターのドアが開き、
「あ、翔さん」
その隙間に翔の姿が見えた。
(ふふっ、真面目な顔してる〜)
どこか緊張したような顔をして、翔がエレベーターのドアを押さえる。
その奥から、翔の接客中の相手であろう男性が2人降りてきた。
「─────…っ⁉︎ 」
そのうちの1人に、愛里咲の視線は釘付けになった。
釘付け…というよりも、凍りつくといった表現の方が近い。
翔よりも先に愛里咲に気付いたその人は、
「久しぶりだね」
その人……白取は、恐ろしいくらい満面の笑みで愛里咲の方へと近付いて来た。
(やだ…っ、怖い…)
声を出す事も、身体を動かす事も出来ない。
愛里咲は無意識に自身の身体を掻き抱いていた。
固まる愛里咲の間近に白取が立つ直前、
「愛里咲‼︎ 」
強い力で身体が後ろへと引かれる。
ドサッと抱き寄せられた腕の中。父親となり今まで以上に逞しく感じる広い胸に、愛里咲は身体を擦りよせた。
恐怖に速まる愛里咲の心音を落ち着かせてくれる琉の心音。
だけど、今日は琉には珍しく忙しなく動いていた。

