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第7章 『俺』の彼女
「何笑ってんだよ」

そう言いながらも、愛里咲の笑顔に、嬉しそうな様子が隠せない琉。

それを見て、翔と渚も嬉しそうに顔を見合わせる。


「いつでも話聞くからね‼︎ 」

窓の外から渚が声を掛ければ、

「ありがとう」

愛里咲からはいつもの笑顔が返される。

琉の運転する車が見えなくなるまで見送った翔と渚は、

「良かった……」

同時にそう呟いていた。


「あ…」

互いの声に我に返り目が合えば、

逃げるようにした告白を思い出し、翔は気まずさに目を逸らした。


そんな翔の頬をガシッと挟み、渚は顔をグッと寄せる。

「え、えっ? 槙野さん⁈ 」

間近に迫る渚の顔に、翔の顔が一気に赤く染まる。

それを見た渚は、嬉しそうに口元を緩めた。


「夏川さんてズルイですね」

「え?」

「自分の気持ちだけ伝えて、後は逃げちゃうんだから」


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