この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第8章 弟の過去

「正解です。デザートも付けますね」
満足げに笑った渚の指がそっと離れていく。
その指がいくつかのフルーツの上で品定めするように小さく円を描いた。
「リンゴとバナナは定番過ぎるかな?
あ、葡萄…マンゴーもある!
翔さんはどれが一番好きですか?」
振り返った渚の、艶やかな唇を見つめてしまう。
リンゴ…をかじる姿も可愛らしいだろう。
バナナ……を、口に……口に含むその姿は………っ
「ば、ばば、バナナはダメ!」
「え?バナナ嫌いですか?」
そう言って、バナナを棚へと戻す渚。
翔はその視界から、リンゴのように赤くなった顔を隠した。
(ヤバイ、妄想が暴走してきてる……)
「いや…バナナ、好きだよ?」
慌てて弁解する翔の背に、赤ん坊を抱いた若い母親の肩がぶつかった。
互いに、すみませんと頭を下げる。
父親らしき若い男性と、その親であろう初老の男女が4人。
初孫のお祝いでもするのか、皆笑顔で赤ん坊と母親に駆け寄った。
満足げに笑った渚の指がそっと離れていく。
その指がいくつかのフルーツの上で品定めするように小さく円を描いた。
「リンゴとバナナは定番過ぎるかな?
あ、葡萄…マンゴーもある!
翔さんはどれが一番好きですか?」
振り返った渚の、艶やかな唇を見つめてしまう。
リンゴ…をかじる姿も可愛らしいだろう。
バナナ……を、口に……口に含むその姿は………っ
「ば、ばば、バナナはダメ!」
「え?バナナ嫌いですか?」
そう言って、バナナを棚へと戻す渚。
翔はその視界から、リンゴのように赤くなった顔を隠した。
(ヤバイ、妄想が暴走してきてる……)
「いや…バナナ、好きだよ?」
慌てて弁解する翔の背に、赤ん坊を抱いた若い母親の肩がぶつかった。
互いに、すみませんと頭を下げる。
父親らしき若い男性と、その親であろう初老の男女が4人。
初孫のお祝いでもするのか、皆笑顔で赤ん坊と母親に駆け寄った。

