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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

(昼間に会社まで来たのに返してもらってなかったのかな?)
怪訝に思いながらも、愛里咲が受け取ろうとしても芙由が渡さないのは経験済みだ。
「陽向、陽花、おいで」
愛里咲は琉から双子を受け取ると、リビングの床に双子を下ろした。
「……変な借り作りたくないからやるって言っただろ?」
「─────は⁉︎ 」
双子の相手をしながらもつい玄関でのやり取りに耳を澄ましていれば、
思い掛けない琉の言葉に、愛里咲は大きな声を上げていた。
「あのっ、だから!新しいお財布買ってきました!」
芙由の言う、新しいお財布が入っているのであろう紙袋。
芙由は満面の笑みでそれを高らかに持ち上げた。
「……いらね」
クルリと背を向ける琉。
「お金もお返しします!」
芙由が慌てたようにその服の裾を掴んだ。
「要らねぇって…」
振り返り様に芙由の手を払う琉。
バタバタバター‼︎
2人のやり取りに、堪えきれず、愛里咲がリビングから駆け付けた。
怪訝に思いながらも、愛里咲が受け取ろうとしても芙由が渡さないのは経験済みだ。
「陽向、陽花、おいで」
愛里咲は琉から双子を受け取ると、リビングの床に双子を下ろした。
「……変な借り作りたくないからやるって言っただろ?」
「─────は⁉︎ 」
双子の相手をしながらもつい玄関でのやり取りに耳を澄ましていれば、
思い掛けない琉の言葉に、愛里咲は大きな声を上げていた。
「あのっ、だから!新しいお財布買ってきました!」
芙由の言う、新しいお財布が入っているのであろう紙袋。
芙由は満面の笑みでそれを高らかに持ち上げた。
「……いらね」
クルリと背を向ける琉。
「お金もお返しします!」
芙由が慌てたようにその服の裾を掴んだ。
「要らねぇって…」
振り返り様に芙由の手を払う琉。
バタバタバター‼︎
2人のやり取りに、堪えきれず、愛里咲がリビングから駆け付けた。

