この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第9章 弟の元カノ

「要るよ! 要る要る! 返してくれてありがとう‼︎ 」
2人の間に入り、芙由に向けて手を出す愛里咲。
だが、
案の定、芙由は愛里咲には財布もお金も渡そうとはしない。
困ったように俯いていた芙由だが、キッと愛里咲を睨むようにして顔を上げた。
「琉さんはあたしの王子様なの!ずっとずっと探してたの!あなたなんかに負けない!」
芙由の剣幕とその言葉に驚きながらも、
「……王子様キャラには程遠いと思いますけど」
思わずそう言い返した愛里咲。
その頭を、琉がガシッと鷲掴む。
「ひぃ〜っ、か…顔だけは合格です!」
バタバタと暴れる愛里咲の身体を、後ろから羽交い締めする琉。
仲良さげ…?…に見えるその光景に、芙由は唇を噛み締めた。
「琉さん!昼間、何でお金が要るのかって聞きましたよね?あの、あたし、親がいなくて…」
まだ高校生であろう芙由の身の上に、高校生の時に親を亡くした愛里咲の視線が釘付けられた。
「歳の離れた姉がいて、ずっと面倒見てくれてたんですけど……あたしがいると家で彼氏と…その…仲良く、出来ないし……結婚も、出来ないし……だからっ、どうしても独立したくてお金が欲しかったんです!」
思わずその境遇に同情を憶える愛里咲。
だが、
「ガキが独立とか…バカか。その前に面倒見てくれる姉ちゃんにもっと感謝し…」
冷たくそう言う琉の口を、愛里咲は慌てて押さえた。
2人の間に入り、芙由に向けて手を出す愛里咲。
だが、
案の定、芙由は愛里咲には財布もお金も渡そうとはしない。
困ったように俯いていた芙由だが、キッと愛里咲を睨むようにして顔を上げた。
「琉さんはあたしの王子様なの!ずっとずっと探してたの!あなたなんかに負けない!」
芙由の剣幕とその言葉に驚きながらも、
「……王子様キャラには程遠いと思いますけど」
思わずそう言い返した愛里咲。
その頭を、琉がガシッと鷲掴む。
「ひぃ〜っ、か…顔だけは合格です!」
バタバタと暴れる愛里咲の身体を、後ろから羽交い締めする琉。
仲良さげ…?…に見えるその光景に、芙由は唇を噛み締めた。
「琉さん!昼間、何でお金が要るのかって聞きましたよね?あの、あたし、親がいなくて…」
まだ高校生であろう芙由の身の上に、高校生の時に親を亡くした愛里咲の視線が釘付けられた。
「歳の離れた姉がいて、ずっと面倒見てくれてたんですけど……あたしがいると家で彼氏と…その…仲良く、出来ないし……結婚も、出来ないし……だからっ、どうしても独立したくてお金が欲しかったんです!」
思わずその境遇に同情を憶える愛里咲。
だが、
「ガキが独立とか…バカか。その前に面倒見てくれる姉ちゃんにもっと感謝し…」
冷たくそう言う琉の口を、愛里咲は慌てて押さえた。

