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第9章 弟の元カノ

その仕草に、芙由はまた愛里咲を睨む。
「た、大変な想いをしてきたんだね」
引き攣りながらも笑顔を向ける愛里咲。
だが、芙由の視線は鋭くなる一方だ。
「……あなたに何がわかるんですか? 親のいない大変さとか、姉しか頼れないあたしの気持ちとか……わかる訳ないじゃない」
「…っ……ごめんなさい……」
咄嗟に謝り、俯いた愛里咲。
琉は、口に当てられていた愛里咲の手を掴んで剥がした。
「し、親戚にも冷たくされて……友達も、恋人も居なくて……あたしはずっとひとりぼっちだったの!あたしには琉さんしかいないの!」
琉を見つめ、悲しげに顔を歪める芙由。
その姿が過去の自分と重なり、愛里咲の瞳には涙が溜まっていた。
「頼れる姉ちゃんが居るだけ恵まれてんだろ。愛里咲には誰も居なかったんだから」
そのまま、愛里咲の手を自身の首へと回して引き寄せる。
「琉ちゃ…⁉︎ 」
「今は ”俺しか” 居ないんだよな? そう言って追い返せよ?」
間近に迫る端正な顔に、赤くなる顔を必死に逸らす愛里咲。
その耳に、琉は舌を這わせていく。
「や、やだやだ…見られてるのに……っ 」
「見られる方が感じるんだろ」
首筋へと降りた琉の唇が、赤い花を咲かせていく。
「た、大変な想いをしてきたんだね」
引き攣りながらも笑顔を向ける愛里咲。
だが、芙由の視線は鋭くなる一方だ。
「……あなたに何がわかるんですか? 親のいない大変さとか、姉しか頼れないあたしの気持ちとか……わかる訳ないじゃない」
「…っ……ごめんなさい……」
咄嗟に謝り、俯いた愛里咲。
琉は、口に当てられていた愛里咲の手を掴んで剥がした。
「し、親戚にも冷たくされて……友達も、恋人も居なくて……あたしはずっとひとりぼっちだったの!あたしには琉さんしかいないの!」
琉を見つめ、悲しげに顔を歪める芙由。
その姿が過去の自分と重なり、愛里咲の瞳には涙が溜まっていた。
「頼れる姉ちゃんが居るだけ恵まれてんだろ。愛里咲には誰も居なかったんだから」
そのまま、愛里咲の手を自身の首へと回して引き寄せる。
「琉ちゃ…⁉︎ 」
「今は ”俺しか” 居ないんだよな? そう言って追い返せよ?」
間近に迫る端正な顔に、赤くなる顔を必死に逸らす愛里咲。
その耳に、琉は舌を這わせていく。
「や、やだやだ…見られてるのに……っ 」
「見られる方が感じるんだろ」
首筋へと降りた琉の唇が、赤い花を咲かせていく。

