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コンプレックス
第10章 俺の弟は…

「や〜だぁ!ラブラブじゃん!うざっ!」
バシバシと、笑いながら翔の背中を叩く芙美。
翔と渚は困ったように笑い合う。
「あ、私ね、須藤芙美。高1の時、琉の家に遊びに行った時に居たよね?覚えてる〜?」
芙美の言葉に、翔の頭の中に懐かしい思い出が蘇る。
─────懐かしい…
と、しんみりと思い出すのではなく苦笑いと共に思い出すその記憶。
「琉が高1の頃、連れてきた……てか押しかけて来た?」
───…帰宅した翔を遮るように、玄関先で揉めていた制服姿の男女。
「ひどーい!彼氏の家に遊びに行っただけじゃ〜ん」
───…母親の前だというのに愛想笑いを忘れた弟の不機嫌な顔と、入る隙を与えない程に大声で話すニヤけ顔の女の子。
「家に行った事あるんだ…」
呟いた渚の言葉に、
「……うちのお喋りな母親もドン引いてた」
翔は小声で答える。
「あー…わかる気がします……」
苦笑いの渚に、
「こんな公衆の面前でイチャイチャしないでよー」
そう言っては話し出す芙美。
思い出した記憶を頭の片隅に追いやりながら、
(あの時も、関わりたくない人種だって思ったな)
翔は、芙美を恋人に選んだ琉の基準がわからずに首を傾げた。
バシバシと、笑いながら翔の背中を叩く芙美。
翔と渚は困ったように笑い合う。
「あ、私ね、須藤芙美。高1の時、琉の家に遊びに行った時に居たよね?覚えてる〜?」
芙美の言葉に、翔の頭の中に懐かしい思い出が蘇る。
─────懐かしい…
と、しんみりと思い出すのではなく苦笑いと共に思い出すその記憶。
「琉が高1の頃、連れてきた……てか押しかけて来た?」
───…帰宅した翔を遮るように、玄関先で揉めていた制服姿の男女。
「ひどーい!彼氏の家に遊びに行っただけじゃ〜ん」
───…母親の前だというのに愛想笑いを忘れた弟の不機嫌な顔と、入る隙を与えない程に大声で話すニヤけ顔の女の子。
「家に行った事あるんだ…」
呟いた渚の言葉に、
「……うちのお喋りな母親もドン引いてた」
翔は小声で答える。
「あー…わかる気がします……」
苦笑いの渚に、
「こんな公衆の面前でイチャイチャしないでよー」
そう言っては話し出す芙美。
思い出した記憶を頭の片隅に追いやりながら、
(あの時も、関わりたくない人種だって思ったな)
翔は、芙美を恋人に選んだ琉の基準がわからずに首を傾げた。

